ハイテク・スタートアップのケースを公表しました。株式公開を果たした、半導体業界で最先端技術の製品を開発する企業の創業者は、技術出身ではなく、営業出身であるところがポイントです。戦略がデファクトを決めるのです。
以下は、概略です。
「日本の起業環境は、資金面でも人材供給面でも恵まれているとはいえない。しかもハイテクになると、研究開発に多大な資金と有能な技術者を必要とする。そのような厳しい環境の中で成長を遂げた、半導体ウェーハ検査装置のRAYTEXの歩みを辿りながら、ハイテク・スタートアップの成長プロセスを検証していく。ベンチャー・キャピタルの投資や大手の資本参加を受けずに2004年に株式公開を東証マザーズに果たした背景には、内部留保による資金調達、外部の人材を活用した製品開発、迅速な事業化、競合の追随を許さない製品のフルライン化があった。また、成長のドライバーとなった事業機会の発見に長い時間を要したことは、米国におけるハイテク・スタートアップの成長プロセスとは異なるモデルを提示しているといえよう。」